産業廃棄物処理業界のプライバシーマーク取得

産業廃棄物処理業界のプライバシーマーク取得

 プライバシーマークの取得は委託業者の選定という観点からも重要な側面を持っています。
 たとえば不要となった古紙類の処分、膨大な量の書類を過去数年分にわたって処分する場合、その処分を委託する書類の中に個人情報や会社の機密文書、かつて顧客からお預かりした資料が多数含まれているというケースは良く聞くお話です。

 こうした場合通常委託業者に処分を依頼することになりますが、ではいったいどういう業者選定をしたらよいのか。

 産業廃棄物処理業界のプライバシーマーク

 産業廃棄物の処理を他人に委託する場合には、マニフェストの使用(最終処分の確認報告)が義務付けられています。
 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターは環境省の行政指導のもとでマニフェスト制度を運用し、最終処分の確認を行うようになっています。これは産業廃棄物の委託処理における排出事業者の責任を明確化するもので、後を絶たない不法投棄等の未然防止を目的としています。
 これと同様に国(経済産業省・総務省)が個人情報保護について情報管理を適切に行い継続して運用している業者に「お墨付き」(認定証)を発行する制度があります。プライバシーマーク制度といいます。厳しい業界の中で生き残りをかけてこれに取り組んでいるM社の事例を紹介しましょう。


(プライバシーマーク取得のきっかけ)
M社は産業廃棄物処理業を始めて28年、大手紙業メーカーのリサイクル部門を顧客として古紙等の排出を行っている。緩やかな景気の回復と共に産業廃棄物の処理量も増え、学校における学生のテストペーパー(評価情報)、病院のデジタル化に伴う紙媒体の不要カルテ(医療情報)など個人情報の取り扱い件数も増加している。

M社の社長は取り扱っている情報の重さを再認識し、全社的に一定のルールのもとで情報管理を徹底しなければないないと決意、プライバシーマークの取得に着手しました。


(プライバシーマーク取得のメリット)
「プライバシーマークを取得し情報管理を全社的に進めることができた。そのために業務フローを見直し、統一ルールを作って処理手順が明確になった。質の高いサービスは徹底した情報管理にある。それが顧客の安心感を得、信頼につながっているのだと思います。」M社の社長はこう語ってくれました。
 プライバシーマークの取得は対顧客の満足度を高めただけではなく、個人ひとりひとりの情報が悪用されない仕組みづくりを可能とします。プライバシーマークはこうした社会的ニーズにも応えるツールなのです。